外部寄生虫(ノミ)
2005年05月12日 AQ
ノミ・ダニの季節がやって来ました。敵 ( テキ ) の事を知らないと対処できませんから、ちょっとノミ・ダニのご紹介をひとつ。例によって他のブログとは違って、一般生活にはまったく役に立たない、マニアックな記事で仕立ててありますので、『 へ〜
うちの仔は時々湿疹ができ ( ノミかダニ? )、耳の後ろ・背中・腹部などがあちこち、ちょっとづつハゲハゲになってます。特に、湿度の高い暑い日にダニがつくような感じです ( 散歩コースで? )。
ノミ・ダニにはいくつか種類があるのでしょうか? 先日発見したのは ( 床の上で ) とても薄く平べったく透明感があって、死んでる状態かと思えたんですが・・・。
寄生虫のうち、宿主 ( しゅくしゅ ) の体表や皮膚の表層などに寄生するものを総称して外部寄生虫といいます。これに対して、回虫類や犬糸状虫 ( フィラリア ) のように体の中に寄生するものを内部寄生虫といいます。ノミ・ダニは当然、外部寄生虫になります。
犬と猫の外部寄生虫として重要な種には、蛛形類 ( ちゅけいるい ) のダニの仲間のうち、マダニ類やツメダニ類、ニキビダニ類、キュウセンヒゼンダニ類、ヒゼンダニ類といわれるもの、また、昆虫類では、ハジラミの仲間のケモノハジラミ類やシラミの仲間のケモノホソジラミ類、ノミの仲間のヒトノミ類があります。犬、猫に寄生するイヌノミやネコノミはヒトノミ類というグループに属するものです。
さて、よくノミと簡単にいいますが厳密にいうと、ノミという名前の生物はいません。ノミというのはグループの名称で、『 節足動物門、昆虫綱、ノミ目 ( 隠翅目 ) 』 に属する生物の総称です。
ノミは、恒温動物 ( 体温が一定に保たれている動物 )、すなわち哺乳類と鳥類の体表に寄生し、雌雄 ( しゆう = メス・オス ) ともに吸血を行っています。吸血を行う昆虫には蚊などがいますが、蚊は雌だけが吸血を行い、雄は吸血しない点が異なっています。ノミ目には、スナノミ科やトゲノミ科、ヒトノミ科などが設けられています。ただし、日本において重要なのはすべてヒトノミ科に属するものです。
■ 犬と猫に寄生が認められるノミは、主にイヌノミとネコノミの2種です。
このほか、ヒトノミやニワトリフトノミなどが寄生したという例が知られていますが、イヌノミとネコノミ以外のノミが犬あるいは猫に寄生するのは非常にまれといえるでしょう。イヌノミは犬に、ネコノミは猫に寄生するものと考えられがちです。実際、同じ寄生虫でも、たとえば回虫の場合は、たしかに犬回虫は犬に寄生し、猫回虫は猫に寄生します。しかし、ノミに関していえば、イヌノミが猫に寄生したり、ネコノミが犬に寄生することがあります。とくにネコノミは適応の範囲が広いようで、ごくふつうに犬に寄生しています。
イヌノミとネコノミの地理的な分布を調べてみると、ネコノミは世界的に分布しています。しかし、イヌノミの分布はある程度限られているようです。たとえば、北アメリカ大陸では、イヌノミの発生は少なく、犬に寄生するノミもネコノミとなっています。日本では、イヌノミとネコノミの両種が存在し、犬と猫のどちらにもこれらの2種のノミの寄生が認められています。ただし、最近の調査では、犬と猫から検出されるノミの多くはネコノミであり、犬においてもネコノミがイヌノミよりも多く寄生していることが明らかになっています。ネコノミが勢力を伸ばしているのかも知れません。
人間に寄生するノミは、かつてはヒトノミでした。しかし、近年の日本では、ヒトノミの発生をみることはまずないといえます。現在、ヒトに寄生が認められるノミは、ペットとして飼育されている犬あるいは猫に由来するものと考えられています。この場合も、イヌノミよりもネコノミのほうが人間に寄生しやすいようです。
さて、色々と外部寄生虫についてお話してきましたが、今回ご質問の床の上で発見なさった謎の物体は?たぶんマダニだと思われます。マダニは扁平な形で卵形の黄白色から赤茶色と色の幅が広く、透明感があったのであれば、脱皮後のマダニか、もしくは黄白色の中でも色が薄いマダニだったのでしょうね。
参考文献 : 深瀬 徹 教授
( 明治薬科大学薬学部薬学教育研究センター基礎生物学部門 ) 著
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